大好きと言われて育った子はどうなる? 自己肯定感が人生に与える影響

ひと昔前までは、子どもは厳しく育てるのが一般的でした。今の40~50代の親世代の人は、どちらかというと親に厳しく育てられた方が多いのではないでしょうか。頑張って結果を出しても調子に乗るなと言われ、失敗すると厳しく叱責される、親は怖くて苦手なものだからなるべく避けたいと思っている、といったケースも多かったでしょう。

しかし近年はそうした子育てが見直され、子どもに厳しさではなく愛情を注ぐ子育てスタイルが一般的になっています。厳しさも愛情のうちなのですが、愛情を厳しさに変換して子供にぶつけるのではなく、愛情は愛情のまま注ぐということです。

その代表例として、子どもに「大好き」を伝えるというものがあります。同様に、「頑張ったね」「すごいね」といった肯定的な言葉を子どもにかけ続けることで、子どもの人生がより良くなるという考え方です。

では、「大好き」と言われて育った子どもはどのようになるのでしょうか。

大好きと言われて育つと自己肯定感が高まる

「大好き」という言葉は非常に肯定的です。このかなり肯定的な言葉を日々かけてもらった子どもは、自己肯定感が高まります。自分は大好きと言われる人間なんだ、ということで自分を肯定的に捉えられるからです。

自己肯定感が高いということは、何かできるから自分の価値が高いのではなく、無条件に自分は価値のある存在だと思えるということです。自己肯定感はゆるぎない自信とも言えるでしょう。

自己肯定感が高い子どもと低い子どもの違い

自己肯定感が重要であることは、今の時代多くの場所で見聞きするでしょう。ではなぜ自己肯定感がそこまで重要と言われるのでしょうか。自己肯定感が高い子どもと低い子どもの違いをいくつかの観点から比較してみます。

行動できるかできないか

自己肯定感が高い子どもは、失敗を恐れずに挑戦できます。なぜなら、たとえ失敗しても自分には価値があると思えるからです。その結果多くのことに積極的に挑戦し、どんどん成長していくでしょう。

一方で、自己肯定感の低い子どもは恐怖が大きく前向きな挑戦ができません。失敗したら親に何か言われるのではないか、どうせ自分は失敗してしまうのではないか、といった気持ちになりがちです。

その結果挑戦する機会が減り、成長もできなくなってしまいます。このように、自己肯定感が高い子どもと低い子どもは行動の差から成長にどんどん差が出てしまうということです。

感情が不安定か安定しているか

自己肯定感の高い子どもは不安が少ないため、いつも感情が安定しています。その結果周囲の人にも優しく接することができ、人間関係が良好になりやすいでしょう。一方で、自己肯定感が低い子どもは感情が不安定です。

その結果周囲の人に対しても当たってしまうことが増え、人間関係が悪くなっていきます。人間関係が悪くなると余計にふさぎ込んでしまうので、さらに自己肯定感は下がっていきます。自己肯定感が高いか低いかによって、人間関係も大きく変わってきます。

自分の道を進むか周囲と比較するか

自己肯定感が高いと、周囲の人と自分をあまり比較しません。なぜなら、何かで人より優位でなくても自分には価値があると思えるからです。自分は自分、他人は他人、という考え方ができているでしょう。

一方で、自己肯定感が低い子どもは自分と周囲を比較しがちです。何かで自分の方が優位でないと自分には価値がないと思ってしまうからです。このような劣等感が前向きなことに働けば良いですが、そうではないケースも多いでしょう。

周囲の人よりも勉強やスポーツができるようになりたいと頑張ることができれば良いですが、そうではなく、人の物を盗んででも良いものが欲しい、それで自分は優位に立てる、といった勘違いをしてしまうケースもあります。

潜在意識と顕在意識

「大好き」という言葉をかけ続けることで、子どもの自己肯定感は高まるということでした。肯定的な言葉をかけ続ければ良いのですが、仕組みをより深く知るには潜在意識と顕在意識のことを把握しておくと良いでしょう。

まず潜在意識とは、普段自分では意識していない思考や感情です。顕在意識は、普段自分が意識している思考や感情です。そして、人の意識のほとんどは潜在意識とされています。つまり、人は自分では意識していない部分に思考や感情を支配されているということです。割合で言うと、9割以上は潜在意識と言われています。

つまり、潜在意識はその人の人生においてかなり重要ということです。そして潜在意識は自分がかけられた言葉によって無意識に作られると言われます。ネガティブな言葉をかけられ続けた人は無意識のうちにネガティブな思考や感情に、ポジティブな言葉をかけられ続けた人は無意識のうちにポジティブな思考や感情になるということです。

「大好き」という言葉はもちろんポジティブな言葉なので、言われ続けると無意識に自分のことを大好きになれます。

子どもの自己肯定感を高めるために親がやるべきこと

「大好き」という言葉をかける以外にも、親が子どもの自己肯定感を高めるためにできることが複数あります。これらを把握しておいて、普段から心がければ子どもの自己肯定感は高まっていくでしょう。中には簡単に取り組むのが難しいものもあるかもしれませんが、意識して少しずつ改善していくことが重要です。

親の自己肯定感を高める

親の自己肯定感は子どもに影響します。親の自己肯定感が低いと、無意識のうちにネガティブな発言が増えてしまったり、発言には気を付けていても表情にネガティブな感情が出てしまったりするでしょう。

親のネガティブな言動を子どもは敏感に察知し、子どももネガティブな感情を持ってしまう可能性があります。逆に言えば、親の自己肯定感が高いと子どもも前向きになっていくということです。

親が子どものために犠牲になるのをやめる

親は子どもを育てるために一生懸命働き、子どもは親に感謝する、というのは一般的なことで、またどちらかというと美談として語られることが多いでしょう。親が子どものために頑張るのは良いことですが、親が子どもの犠牲になってしまうことはなるべく避けるべきです。

なぜなら、子どもは「親は自分のせいで苦労をしている」というネガティブな感情を持ってしまうからです。なるべくなら、親は楽しみながら子育てをしていて、仕事も楽しくやっている、といった状況が理想的でしょう。

とはいえ、現実的に考えると子どものために働き、その結果ストレスを溜めながら苦しんでいる、といった方も多いはずです。しかしこれをそのまま子どもに見せてしまうと子どもの自己肯定感は下がる可能性があるため、苦労を前向きに捉えることが重要です。

子どもの自己肯定感を高めましょう

「大好き」と言われて育った子どもは自己肯定感が高まりやすく、また自己肯定感が高まることで子どもの人生はより良くなるということでした。そして子どもの自己肯定感を高めるためには、親自身の自己肯定感を高めることや、親が子どもの犠牲にならないことが重要です。

現実的に考えれば子育てによって親はある程度犠牲になる面もあるのですが、それをなるべく前向きに捉えることや、子どもには前向きな言葉で伝えると良いです。

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